横綱、親方として、相撲を通じて日本文化や神事に長らく関わってきた貴乃花。自身が体験したことや、本を読んで学んだこと、そして、心に残った“ニッポンの魅力”を、歴史の話も交えながら伝えていく。

 前回は、日本史に存在する“空白の150年”を紹介しました。【前回の記事はこちらから】

 邪馬台国の女王・卑弥呼が亡くなった後、13歳の幼さで女王となった台与(とよ)。彼女が中国の西晋に使者を送ったという記述を最後に、倭(日本)は中国の歴史書から忽然と姿を消します。

 その後の約150年間、時代にして3~5世紀にかけて、日本は記録がほとんど残っていない“謎の空白期間”を迎えました。そして、その間に、日本列島では、邪馬台国から大和王権へと移った、と。

 なぜ、150年もの空白が生まれたのでしょうか。理由の一つとして挙げられるのが、当時の中国の政治情勢です。西晋が崩壊したことで、中国は、各地に多民族の王朝が乱立する、大混乱の時代に突入しました。結果、倭と外交関係を結ぶ国も失われ、中国の歴史書からも次第に記述が途絶えてしまった。

 一方、日本は当時、文字文化が広く定着していなかったと考えられています。