■特撮で日本語を学ぶ海外ファンや涙を流して喜ぶ国内ファンの存在
――現地価格9万円のベルトは、実質20万円近く、ということですよね。
井上 それを持っているんですよ! 半端ない熱量ですよ、やっぱり。
――具体的に、どこの国とかありますか?
井上 アジア圏内ですね。中国とかマレーシアとか、今度ベトナムにも行きますし。中華圏は熱いですね。特撮というか、日本の文化が熱いです。僕は向こうの言葉が分からないから現地イベントでも日本語で話すんですけど、それでも通じるんですよ。“何でわかるの?”と聞くと、“特撮を見て勉強した”って(笑)。
――それは、本当に大人気ですね。松田さんはどうですか?
松田 僕は2022年から、日本全国で自分の本(エッセイと自作小説)を持って回る活動しているんです。普段の仕事やイベントでは、俳優が絶対に行かないエリアにも行かせていただいているので、そうすると“会えるなんて思ってなかった!”って人たちが来てくださって。サインを書いてお話をしていると、本当に涙を流して喜んでくれるんです。
“それって、20年前の作品ですよ?”という思いが僕のどこかにあって。何てありがたいことなんだろう、と思います。20年間温め続けて、こうやって僕の前に来てくださって、言葉を届けてくれる。“頑張ってきてよかったな”と、本当にご褒美をいただいたような気持ちになりますね。
『仮面ライダー』が後の役者人生に大きな影響を与えた2人。2人が出演するYouTube連続特撮ドラマ『華衛士F8ABA6ジサリス』は、どんな伝説を残してくれるだろうか――。
井上正大(いのうえ・まさひろ)
神奈川県出身。株式会社AICライツ代表取締役社長。2009年に平成仮面ライダー10作記念作品『仮面ライダーディケイド』にて“門矢士/仮面ライダーディケイド”として連続テレビドラマ初出演・初主演を飾る。役者業以外でも舞台の演出やアニメ制作会社など、多方面でクリエイティブな活動をしており、2021年4月からはオリジナルの特撮ドラマを製作する企画を立ち上げ、それが『ジサリス』として実を結んだ。
松田悟志(まつだ・さとし)
大阪府出身。ノースプロダクション所属。2002年、平成仮面ライダーシリーズ『仮面ライダー龍騎』で“秋山蓮/仮面ライダーナイト”として、初のテレビドラマレギュラー出演を飾り、一躍知名度を上げる。現在も『龍騎』に関するイベント出演など精力的なファンサービスを行っているほか、2022年3月にはオリジナル創作サークル「仮面の騎士」を設立。自叙伝や創作小説、音楽活動など、役者業以外も活動の幅を広げている。