■演技の幅を広げている玉森裕太
続いて、『マイ・フィクション』(ABC・テレビ朝日系)に主演した玉森裕太。本作は主人公が事故に遭ったことを機に、最愛の妻や職場の仲間たちから存在を忘れ去られるという、失われた記憶に隠された残酷な真実を暴く予測不能なサスペンス・ラブストーリー。玉森は老人ホーム「はるなぎ園」で働く介護職員・伊川正樹を演じた。
玉森は21年冬ドラマ『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』(TBS系)など、王子様系、ワンコ系、弟キャラを演じることが多かったが、最近は『あのクズを殴ってやりたいんだ』(TBS系)など、陰があったり、何を考えているのかわからない、暗めでクセの強さがあるキャラが増え、演技の幅が広がっている。
本作は「記憶を書き換えられた」という設定で、平凡で心優しい伊川正樹の内面に潜む、研究者・二宮祐介(二役)の本性をチラチラ匂わせる、複雑な役がハマっていた。柔和な笑顔と内面のギャップがドラマをもり立てていたが、ファンとしてはワンコ玉森も見たかったことだろう。だが、年齢的にも36歳と脂の乗る時期なので、サスペンス性の高い役柄をもっと見たいし、今後もやっていくべきだろう。