■出版社を支配する「カレンダー利権」

 カレンダー利権とは何か。前出の出版関係者が説明する。

「ジャニーズグループのカレンダーを作らせてもらえる、という権利です。ジャニーズグループは複数ありますが、毎年、出版社が“持ち回り”で担当するルール。つまり、グループ『A』のカレンダーは毎年この出版社から出る、と決まっているわけではなく、今年はこの出版社がAを担当、この出版社はBを担当……というように、業界内で担当制が敷かれているのです。

 このカレンダーの売上が非常に大きい。当然、グループの人気があればあるほど、売上も大きくなるので、奪い合いになります。また、予約制での販売なので在庫を余計に抱えなくてもよい。ジャニーズにはファンクラブがある。通常カレンダーはファンクラブ数に6掛けした数字が売れるといわれています」

 そのうえで、「担当グループと記事との関係性」があるという。

「もともと週刊誌は、ジャニーズに都合の悪い話を書くと“出禁”になった。カレンダーも同様で、ジャニーズにとってネガティブな記事を掲載した出版社は、二番手、三番手のようなグループが回されるという仕組みです。

 その点、文藝春秋社は、ジャニーズのカレンダーとは無関係の立ち位置を貫いています。他の出版社は、カレンダー利権を優先するあまり、ジャニー氏の話はタブーになった。文春がジャニー氏の加害ネタにおいて”一強”だったのは、カレンダーを出していないからなのです」(前同)