■少女マンガの定番の出会い&結婚後の恋も描かれるように
田幸氏が朝ドラの恋愛のパターンとしてまず挙げたのは、「少女マンガの定番な展開」と「結婚後の恋」の2つだった。
「00年代くらいまでは、出会いの印象はお互い最悪だったのにそこから惹かれて結婚……という昔の少女マンガのような展開か、親が決めた相手と結婚するといった展開のどちらかにだいたい分かれていました。初恋の人は憧れのまま、結ばれない。それで言うと『舞いあがれ!』の柏木はそのパターンに当てはまっていましたが、それで一緒にはならない、というのが今っぽい展開なのかな、と。
2010年の『ゲゲゲの女房』で朝ドラの放送開始時間を8時に変更して以降は、親が決めた相手であっても、結婚してから恋をするという展開が描かれたように思います。波瑠さん(31)主演・15年『あさが来た』や、安藤サクラさん(36)主演・18年の『まんぷく』などが分かりやすい例ですが、一緒に暮らしていく中で信頼関係が生まれて、そこから恋になっていく展開ですね」
福原演じる舞について、赤楚衛二(27)演じる幼なじみの梅津貴司とのカップル成立を望む声も視聴者からは上がっているが、朝ドラの「幼なじみ」は報われないことが多かったと田幸氏は話す。
「朝ドラに登場した幼なじみは、ヒロインがいかに素晴らしいかほめたたえる賛美者であり、井上真央さん(36)主演の11年『おひさま』の柄本時生さん(33)や吉高由里子さん(34)主演の14年『花子とアン』の窪田正孝さん(34)などのように、“空気”というか恋愛対象にならない相手として描かれることも多かったです。