■「あなたのことが好きなただの男じゃ」

「竹雄と綾に関しては今回が過去トップクラスに盛り上がりましたが、竹雄はその誠実な人柄から、これまでも綾や万太郎に対して思いのたけをぶつけ、それが視聴者の心もメロメロにしていました。

 竹雄と万太郎が上京する前、第25回(5月5日放送回)でも“好きじゃ。綾さまのことが”と、かんざしをプレゼントしながらドストレートに思いを告げ、帰郷後の第59回(6月22日放送)でも、あらためて告白。やはり視聴者を胸キュンさせましたね」

 宴会を抜け出し、これからの峰屋のことを考えて思い悩んでいた綾の前に現れた竹雄は、自分が万太郎の従者を辞めたから、綾についても「もう主とは思わん」と前置きし、

「草花が好きすぎる万太郎の姉さまで、ただの酒が好きすぎる槙野綾さん」

 と表現。 

 そして、子どもの頃は万太郎と3人でずっと一緒にいた綾に対して、

「あなたのことが好きなただの男じゃ。ほんじゃき、あなたを一人っきりにはせん」

「あなたはそんじょそこらのおなごじゃないき。この峰屋を自分から背負って立つと決めたお人じゃ」

 と、告白をしたのだ。この時は綾が「井上竹雄」と呼ぶものの、「呼んでみただけ」とさっさと会場に戻ってしまう――という、脈ありながら不完全燃焼な終わり方だった。

「第25回、第59回、第62回。3度にわたる告白で、多くの視聴者をメロメロにさせてきたわけですね。こうした真っ直ぐな“口説きワード”に定評のある竹雄ですが、それは綾だけでなく万太郎に対しても同じ。従者というより友人としての熱い言葉が、やはり視聴者を感動させました」