気づけば2023年も残すところ半年。各局で7月クールの連続ドラマがスタートするが、先の4月クールでも多くの話題作が放送された。
従来からの世帯視聴率も大切だろうが、現在、テレビ各局は13~49歳のコア視聴率を最重要視している。今回は、4月クールに特に注目を集めていた作品の、“知られざる”コア視聴率の勝ち組負け組について分析する。(#1、2のうち2)
■天海祐希(55)主演『合理的にあり得ない 〜探偵・上水流涼子の解明〜』((フジテレビ系)
最終回(6月26日放送)のコア視聴率…2.4%
天海演じる元弁護士の探偵・上水流涼子(かみづるりょうこ)と、その相棒である貴山伸彦(たかやま・のぶひこ)の、コメディ寄りの探偵ものドラマ。天海のイメージにぴったりの勝気な涼子のキャラクターと、伸彦役が圧倒的な人気を誇る松下洸平(36)であることから、放送前の期待値がかなり高い作品だった。また、直前1月クールの草なぎ剛が主演した『罠の戦争』が話題で視聴率も高かったため、視聴習慣が継続されることに期待する声もあった。
「決して悪い数字ではないですが、当初の期待ほどは視聴率は取れなかった、というのがリアルなところでしょうね。放送前は月9の木村拓哉さん(50)主演の『風間公親―教場0―』を超えるのでは、とさえ言われていたんですが……。
内容的には、天海さんと松下さんの軽快なやり取りが面白かった一方で、他の出演者との絡みが少なかった、という意見もありましたね。映像的にも世界観的にもドラマに深みや幅が出てこなくて、狭くなってしまっていた、ということです。そうした脚本のところがいまひとつだったのかもしれませんね」(ドラマ制作会社関係者=以下同)