テレビ各局で7月クールのドラマがスタートしている。夏ドラマは視聴率が落ち込むことがあるが、今夏は多くの話題作が名を連ねている。しかし、唯一「全滅」の危機を迎えている局があるのだ。

「今期は、フジテレビのドラマが全体的にかなりマズいことになっています。他局でも数字が取れないドラマはありますが、それでも1つは視聴率がめちゃくちゃ良かったり、話題作の作品がある。まず、TBSには超大型のあのドラマがありますよね」(制作会社関係者=以下同)

 その超大型ドラマとは日曜劇場『VIVANT』(毎週日曜日21時~)。堺雅人(49)、阿部寛(59)、二階堂ふみ(28)、役所広司(67)といった、映画主演クラスの豪華俳優陣が初共演する『半沢直樹』をはじめ、数多くの大ヒットドラマを手掛けてきたTBSの福澤克雄氏による原作・監督のオリジナルストーリーだ。

「モンゴルを舞台にした大規模なロケ、謎が謎を呼ぶシナリオ、何より放送まで一切の情報が伏せられていたことが話題になりました。視聴率は7月16日の第1話が世帯視聴率11.5%、個人視聴率7.4%と大きな期待ほどのものではありませんでしたが、第2話は世帯11.9%、個人7.2%(関東地区/ビデオリサーチ調べ)と、数字は維持できています。

 第3話の後半以降は日本編に突入し、より謎解き要素も強くなっていきそう。1話のラストで登場した二宮和也さん(40)や、メインキャストなのにまだ出てきていない松坂桃李さん(34)の今後の活躍は楽しみで、数字はどんどん上がっていくのではないでしょうか。日本のタブーとも言える“自衛隊の別班”の話にもなっていくと見られ、最終的には20%を超える世帯視聴率に届く盛り上がりになるのでは、と思われますね」

 テレビ朝日の場合、中村倫也(36)主演、池井戸潤原作の木曜ドラマ『ハヤブサ消防団』(毎週木曜日21時~)が第1話(7月13日放送)の世帯10.5%、個人5.9%の高視聴率を記録。第2話(20日放送)も世帯9.4%、個人5.5%を記録した。

「田舎の消防団に入った小説家の主人公と、連続放火事件やソーラーパネルの利権などが描かれるミステリードラマです。CM明けのタイトルロゴに『原作 池井戸潤』と添えられているあたり、もはや『西村京太郎サスペンス』みたいな“作者名=ジャンル”という扱いになっていますね。視聴者の評判も良く、手堅く数字を残していくと見られます。

 また、日本テレビ系の夏ドラマはもの凄い高視聴率、ではないものの若者人気が高い作品があります。坂口健太郎さん(32)主演の『CODE―願いの代表―』(毎週日曜日22時30分~)と、松岡茉優さん(28)主演の『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』(毎週土曜日22時~)が業界が重視している若い層や女性層の数字が良い。7月22、23日放送回は裏番組の強さを考えると奮闘してると言えますね」