■フジテレビ会長が「緊急事態」と話す危機的状況

 第1話(7月12日)の『ばらかもん』の視聴率が平均世帯視聴率5.9%、個人視聴率3.3%なのに対して、『向井くん』の視聴率は世帯6.0%、個人3.4%。0.1%差で『向井くん』が勝利した。

 しかし、第2話(19日)では、『ばらかもん』の視聴率が平均世帯視聴率5.3%、個人視聴率3.1%なのに対して、『向井くん』の視聴率は世帯5.1%、個人2.8%。世帯では0.2%とやはり僅差ではあるが、『ばらかもん』が2話で逆転している。

「『ばらかもん』は五島列島を舞台にしたロケ地が美しいし、杉野さんや、子役の宮崎莉里沙さん(7)演じる主人公・清舟(杉野)を慕う無邪気な少女・なるが本当にかわいい。

 シナリオも、堅物な書道家が島民たちとの交流を通じ、人間としても成長していくハートフル“島”コメディで、ほんわかした気分で楽しめます。裏番組が強力すぎる『水曜日のダウンタウン』というのがキツいですが、最も数字回復の兆しがある、希望のフジ連ドラと言えるかもしれません。

 現在のフジテレビは、ただでさえ金銭面で大ピンチですからね。高い視聴率を取って、CM単価も上がって欲しい、と局員はみんな考えているでしょうね」

 CMが入らない、CMの単価が安い、というのはテレビ不況の今、各局同じだと考えられるが、特にフジテレビは深刻だという。7月24日配信の『デイリー新潮』では、フジテレビの宮内正喜会長(79)が7月10日、社内の新体制全体会議で、

「テレビ業界全体の広告収入が悪化し、とりわけフジは深刻で、緊急事態と言える状況。緊急対策を講じないと、(2023年度)通期でも厳しい業績になる可能性がある」

 と、明言するほどに追い込まれていることが報じられている。

「今秋から、ドラマも含めて全番組の制作費を30~40%削減するように、という命令が出ているといいます。そんな状態で、すべての夏ドラマが大ヒット作はなく、それどころか爆死寄りの悲惨な数字。このままだと冬のボーナスが出ないのではとまで噂されているようで……非常に厳しい話ですよね。

 視聴率も内容面へのツッコミも酷いことになっている月9の『真夏のシンデレラ』で“平成トレンディドラマ回帰”を図った上層部には、局内からも怒りと呆れの声が上がっているといいますね……」

 昨秋には川口春奈(28)と目黒蓮(26)の切ない恋を描いた『silent』が大ヒットしたフジテレビだが、今夏の状況は非常にマズいようだ……。