■ジャニーズが報道番組にタレントをプッシュする“思惑”
元テレビ朝日局員で報道・情報番組でプロデューサーを務めた鎮目博道氏に、ジャニーズとキャスターの関係について話を聞いた。
「古くは2001年、テレビ朝日が情報・教養バラエティとしてSMAPメンバーが出演する『SmaSTATION!!』をスタート。あのジャニーズがニュースを扱うということで、放送開始当初は鳴り物入りでした。ただ櫻井さんのような例外は別として、ジャニーズタレントがキャスターの番組は、報道っぽく見えていても実は“制作”であることが多いんです。
というのも、本来キャスターは原稿を読んで進行・解説、さらには見解を話すのが仕事。でも、ジャニーズタレントはニュース原稿を読めないし、局を代表するような発言をするのも難しい」
報道番組にジャニーズを起用すると、「余計な手間がたくさん発生する」と鎮目氏は言う。
「本筋の原稿を読むアナウンサーは別に用意し、ジャニーズが言える部分を事前にマネージャーサイドと協議しなくてはいけません。タレントとしてのイメージもあるので、内容も忖度する必要がある。クライアントとの関係もあり、事前のすり合わせが必要なのです」
それでも、報道番組にジャニーズが起用される理由は何か。
「2つあります。ひとつは局側の思惑で、堅いイメージがあるニュース番組を少しでも若年層に見てほしい。若年層が見ている実績があれば、スポンサーにCMを売る際の広告価値が高くなります。
もうひとつはジャニーズ事務所側の意向です。ジャニーズも高齢化がすすんでいて、バラエティではしゃぐのはもう卒業。とはいえ、俳優業だけにまい進するわけにもいかない。知的に見えるキャスター業は仕事の幅が広がるということで、大御所に近いタレントにはキャスターをやらせたいという相談が来るという話は、聞いたことがあります」(前同)