■社長就任で東山紀之はキャスター業を「降板」濃厚
鎮目氏は、「ニュースで一番怖いのは、報道としての立ち位置が歪んでいるように見えること」だと指摘する。
「たとえばスポンサー企業の不祥事があった場合。報じる際の立ち位置を守るために、その回だけスポンサーを降りてもらい、公共広告などに差し替えるんです。だから今回のジャニー氏がらみのニュースがある時も、キャスターという立場でジャニーズタレントが出演するのは、本来あまりよろしくない。本当はその回だけ休んでもいいんです」
加害問題については、各報道番組にレギュラーを持つジャニーズタレントたちの言動が注視された。番組で何を言うかは、どの程度タレントに任されているのか。
「基本的には、事前に打ち合わせをしているはずです。報道番組は1分1秒の進行が大事なので、所要時間、内容ともに把握が必要になる。
ただそうなると、報道側が持っている情報をジャニーズ側に先に伝えることになる。それはジャーナリズムの観点から正しいやり方とは言えません。“ではこの線で”とすり合わせるのも、報道機関としては一線を越えています。タレントとしても、下手なことを言えば会社に怒られる。どちらに転んでもいいことはないと思います」(前同)
では、東山が「ジャニーズ事務所新社長就任」となった場合、現在、メインキャスターを担当する『サンデーLIVE!!』はどうあるべきか。
「番組を降りるしかないかなと思います。企業の意思決定に関与する代表が、公平中立を是とする報道機関でしゃべるというのは常識的に考えてあり得ない。テレ朝的にも降板させると思います」(同)
それでは、東山の後任としてジャニーズタレントが起用されるというケースは起こりえるのか。
「さすがにそれは(笑)。個人的な想像ですが、後任にはジャニーズでなくてもタレントは起用しにくい。フリーアナウンサーやジャーナリストなど違う畑から起用して、番組名を変えて再出発させると思いますよ。その際、有無を言わせないほどの大ベテランをもってくる着地点もあり得るでしょう」(同)
前出のキー局社員も、「『サンデーLIVE!!』は“終了”となり、別番組の立ち上げも視野に入っているようだ」と明かす。東山がジャニーズ新社長に就任した際は、キャスターを夢見る後輩たちに「甘くない現実」があることを教えるのが、社長としての最初の業務となるのかもしれない。