■「奇跡の少女」は薫のことではないか
「櫻井司令の発言には主語がありませんよね。“砂漠で乃木が遭難したところをジャミーンとその父・アディエルに助けられた”という物語の流れから、“奇跡の少女”はジャミーンのことだと解釈していましたが、思えば薫と初めて会ったのもあの遭難がキッカケなんですよね……」
乃木の意識が朦朧としている間に帰ってしまったが、乃木の手当てをしたのは薫だった。「脱水症状と軽い熱中症だけど~」と、自分の手当てをしている薫の姿を見ていたのだ。
その後、乃木と警視庁公安部の野崎守(阿部寛/59)は薫のいた病院で爆破テロの犯人と勘違いされ、彼らと話していた薫も“グルだろう”と巻き添えでバルカ警察に追われることになってしまい――というのが『VIVANT』序盤のあらすじだった。
第2話では、砂漠を渡る途中で薫がラクダから落下して置き去りにしてしまっていたことに気づき、乃木が命も顧みず必死に救助に向かう場面もあった。
また、ジャミーンが「奇跡の少女」だと仮定すると、1つ不自然な描写があるという。
「“死の砂漠”を超えるのは闘病中のジャミーンには難しい、という判断だったのかもしれませんが、そもそも、乃木たちには薫をジャミーンと一緒にバルカに残す選択肢もあったはずです。
しかし、脱水症状で苦しむジャミーンの応急処置を済ませてから、薫はバルカに残らず、ジャミーンを友人に託して乃木らに同行した。薫は容疑者として疑われているだけに無理もない話ではありますが、ジャミーンが別班も重要視している“奇跡の少女”だとすると、乃木がジャミーンをバルカに置き去りにするのは不自然ですよね。ジャミーンの治療費1470万円が必要と知れば、即座に乃木が一括払いしているだけに、なおさらです」
リアルなキャスティングの面から考えても、二階堂は別班・乃木役の堺、別班・黒須駿役の松坂桃李(34)、警視庁公安部の野崎役の阿部、テントの創設者・ベキ役の役所らと並ぶ、本作のメインキャストである。