■「番組のスタンス」にスポンサーがジャッジを下す「Xデー」

 企業がCMスポンサーを降りれば、番組は大きな影響を受ける。『news zero』とて例外ではない。

「月曜日から金曜日まで毎日放送がある『news zero』は、曜日ごとに多くの企業がスポンサードしていますが、日本のNO.1企業であるトヨタ自動車の担当者からは、“番組の加害問題に関するスタンスってどうなんですかね?”といった意見も出て番組の動向は非常に注視されているといいます。

 また、9月16日の『朝日新聞』ではサントリーの新浪剛史会長がテレビ番組のスポンサーを降板することも示唆。業界関係者に衝撃を与えました。つまり番組サイドのジャニーズ事務所に対する姿勢によっては、スポンサーを継続するかどうかのジャッジが変わるということ。

 テレビ局や番組がのらりくらり様子見をしていたら、スポンサーが手を引く可能性は十分にあります」(前出の番組関係者)

 さらに、現在さまざまなジャニーズタレントの広告案件とスポンサーとの間で大わらわになっている広告代理店社員が、企業の姿勢の実態について言及する。

「CM起用を個人契約に切り替えればいいかというと、話はそう単純ではありません。個人事務所を立ち上げているトップクリエイターならともかく、日本の大手企業は、信頼の問題でフリーランスの個人と仕事をしたがらないところも多い。

 ジャニーズタレントだけ特別というわけにはいかないでしょう。また契約を個人にしたところで、加害問題に対しては何の解決にもなりません。むしろ本質的な問題からは目をそらすのか、とバッシングに合う可能性すらあります。

 タレントにしてみても、個人契約は面倒な話です。事務周りの手続きはもちろん、確定申告などもしないといけないし、インボイス制度への対応もある。

 ジャニーズ事務所は、“今後1年間、広告出演や番組出演などによる出演料は、すべてタレント本人に支払い、芸能プロダクションとしての報酬をもらわない”としていましたが、そうした厄介事も事務所スタッフが無償でやってくれるのか。ファンからも“もはや公認闇営業”なんていう声も上がり始めており、大きな物議を醸していますよね……」

 あまりにも行き当たりばったりなジャニーズ事務所の対応に、困惑しているのはタレントのほうだ。