■キャスティングに込められた制作陣の狙い

 2つ目は、10月20日にスタートする高橋文哉(22)と志尊淳(28)のダブル主演連続ドラマ『フェルマーの料理』(TBS系)。数学者志望からシェフに転身した天才数学少年・北田岳(高橋)と、謎多きカリスマシェフ・朝倉海(志尊)による、数学的思考で料理という難題に立ち向かっていく、『月刊少年マガジン』(講談社)で不定期連載中の小林有吾氏による同名漫画が原作の料理ドラマだ。

※画像は『フェルマーの料理』の公式X(ツイッター)『@Fermat_tbs』より

 この2作品のキャスティングに共通して言えること。それは――。

「『フェルマー』は高橋さん、『いちばんすきな花』の今田さんが良い例ですが、ティーン層、Z世代(20代前半から10歳前後)の人気がとても高い役者を多く起用しているんです。

 大人が想像している以上に、高橋さんや今田さんたちは若年層に支持されていて、演技力もある。“この人が出るなら観てみよう!”という大きなきっかけになるんですよ。この2作には出演していませんが、橋本環奈さんもその典型例ですね」

 橋本は『Z総研』による『2023年上半期トレンドランキング』を筆頭に、多くのZ世代を対象としたランキングで1位を飾っている。それだけに、前述の今クールの主演ドラマ『トクメイ!警視庁特別会計係』や、来年後期のNHK連続テレビ小説おむすび』など、主演の仕事が絶えず舞い込んでいる。

「女優さんだと、『いちばんすきな花』の今田さんが『Z総研』の同ランキングで2位ですし、似たような“美人だと思う20代の女優ランキング”などでも、彼女は常に2位や3位をキープしています。

『いちばんすきな花』のメインキャストでは、神尾さんも『株式会社アーキテクト』が実施しているタレントパワーランキングで『【20代】若手イケメン俳優ランキング』(2022)の5位に選ばれていますね」

『いちばんすきな花』には、圧倒的な女性人気を誇る松下や同性人気も高い多部など、Z世代より上だが49歳未満の視聴層に刺さる俳優がキャスティングされている。

 一方、『フェルマー』の主演である高橋も、『Z総研2022年下半期トレンドランキング』で1位に輝いている。2位が大人気俳優の吉沢亮(29)という点からも、高橋の高い人気、ポテンシャルが分かるだろう。