■民放局の秋ドラマで世帯2桁は『相棒』だけ
NHKでは、嵐・松本潤(40)主演の大河ドラマ『どうする家康』と10月2日スタートの趣里(33)主演の連続テレビ小説『ブギウギ』が、どちらも基本的に世帯視聴率2桁を記録している。
一方、民放ドラマでは長期コンテンツである水谷豊(71)主演の『相棒 season22』(テレビ朝日系)、そして『下剋上球児』の第1話を除くと、今期の連続ドラマで世帯視聴率が2桁を超えた作品はない。
たとえば、フジテレビの「月9」枠で放送されている嵐の二宮和也(40)、中谷美紀(47)、大沢たかお(55)によるトリプル主演ドラマ『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』は第1話(10月9日放送)が世帯7.8%を記録したのが最高視聴率で、第3話(10月23日放送)が最低の世帯5.3%を記録してしまっている。
ちなみに、本作は3人の主人公がまったく別の物語を展開していく群像劇だが、二宮の「逃亡編」は『VIVANT』、中谷の「地方テレビ局編」が長澤まさみ(36)主演の『エルピス』(フジテレビ系)、大沢の「レストラン編」が、三谷幸喜脚本で有名な『王様のレストラン』(フジテレビ系)との類似をそれぞれ指摘されている。
特に「地方テレビ局編」は、『エルピス』と細部は違うが“ジャーナリズムを重んじる主人公と、それを握りつぶす上層部”という点が被っているだけに、
《テレビ局のシーンは、エルピスを思い返してしまうのよね。同局ドラマやけど、似た展開になると面白味が減ってしまう》
《テレビ局パートはエルピスの劣化版みたい》
といった声も目立つ。
「その『エルピス』にも鈴木亮平さんは出ていましたよね……。
今、テレビ界が重視しているのはコア視聴率ですが、いまだに世帯視聴率のインパクトは強いし、全世帯がいかに見ていないのが分かる指標としては健在です。
今期のドラマはシンプルに内容がイマイチだったのかもしれませんが、それを抜きにしても前クールの『VIVANT』が強すぎたのかもしれませんね。サスペンス要素や考察、ハラハラドキドキな駆け引きが目白押し。同作が盛り上がりすぎた反動で、視聴者が2クール連続で腰を据えてドラマをじっくり見るのに疲れてしまっているのかもしれませんね……」(前出の制作会社関係者)
安定して高視聴率が取れていた「日曜劇場」も視聴率1桁になり「秋ドラマ全滅」とも言える事態になっている現状。各局の10月クールのドラマは折り返し地点を迎えつつあるが、ここから挽回できるのか――。