■所ジョージも参戦していた「ダさいたま論争」
埼玉県は「ダサいのか?」を県民に尋ねる企画は、
「40年ほど前、1983年9月1日に発行された広報誌でも同じ企画が行なわれています」(前出の埼玉県・広報課担当者)
こちらの広報誌は現在でも埼玉県庁の広報課で、大切に保管されている。弊サイト記者が県庁へと閲覧に行くと、確かに全8ページの広報誌の誌面の貴重な1ページを割いて「なぜダサイ玉」と題した誌上討論会が掲載されていた。
その討論会記事を見てみると、まず目に飛び込んで来たのは大物タレントの名前。
「所ジョージさん(68)ですね。所沢市出身ということで出ていただいたようです。なぜ、この企画が組まれたのかと言いますと、当時テレビなどでも埼玉が“ダサい”とか“イモ”というイメージを持たれがちで、お笑いの対象になっていたことが影響していたんだとか」(前同)
所が綴った一文は《タモリが言っているのは、あれはじょうだん。お仕事で言っているんです。でも、オレが言うのは、本当にそう思っているから》と、なかなか辛辣な書き出しで始まる。
挙句、所は《埼玉は確かに田舎で、なにをしたって東京には勝てっこないんだから、若いやつらは、もっと東京指向でいいと思う》と、埼玉をダサいと一喝する始末。
しかし、文末には《子どもを育てるにはいいところだと思うね》との指摘が。最後は《所沢街道なんか走っていると、ひぐらしや鈴虫の鳴き声がひっきりなしに聞こえてくる――。こんなとき、ああ、いい風情だなって思うよね》と埼玉への郷土愛で締められている。所らしい皮肉と愛情が入り混じった文章だ。