吉高由里子(35)が主演を務める、2024年1月7日スタートのNHK大河ドラマ『光る君へ』。『源氏物語』の作者である紫式部(吉高)の生涯を描く大河ドラマの放送まで、あと1か月。少しずつキャストの劇中写真が解禁されている。
12月4日には、吉高演じるまひろ(後の紫式部)をはじめ、“藤原の一族”を演じる岸谷五朗(59)、国仲涼子(44)、佐々木蔵之介(55)、高杉真宙(27)のビジュアルが解禁された。
岸谷と国仲はまひろの両親・藤原為時と“ちやは”を、佐々木は、為時の友人・藤原宣孝を。
そして、高杉はまひろの弟・藤原惟規(ふじわらの・のぶのり)を演じる。惟規には“紫式部の兄説”もあるが、今回は弟説が採用されたようだ。
『光る君へ』の惟規はのんびり、ひょうひょうとした性格だが勉強が苦手で、文学の才がある姉としょっちゅう比較されている人物。
大河ドラマは史実に基づいた多くの脚色が行なわれる作品ではあるが、紫式部によってつづられたとされる史料『紫式部日記』を読むと、惟規はなかなかに残念なエピソードが多い。
たとえば、父・為時が幼少期の惟規に漢籍(※中国大陸の書籍)を読ませようとするも物覚えが悪い一方、横で聞いていた紫式部は漢籍をあっさりマスター。為時は「この子(紫式部)が男子でなかったのが不幸せだ」と嘆いたという。
また、惟規は成長して兵部丞――宮仕えをしていたが、寛弘5年(1008年)の大晦日に宮中で2人の女性が着物を盗まれる事件が発生。しかし、そんなときに限って惟規は退出していたため、紫式部は「つらきことかぎりなし(惟規はこの上なく情けない)」と愚痴を書き記している。
しかし、紫式部が優秀過ぎて霞んで見えるだけで、惟規は家集『惟規集』を残すなど、優れた和歌の才能の持ち主でもあったと言われている。