■「悪い子」の末路を子どもに教えるキャラを怪演!

 ところが、自分やチーム鎧武の仲間、そして多くの人物が世界を巻き込む陰謀に巻き込まれた結果、思い通りに動かない主人公で先輩の“葛葉紘汰(かずらば・こうた)/仮面ライダー鎧武”(佐野岳/31)や兄・貴虎――というか、自分以外の全員を見下すようになっていき、関係が悪化。光実本人は対立組織や大人を相手にうまく立ち回っているつもりだったが、実際のところは手のひらで転がされているだけで、どんどん居場所を失っていく。

※画像は『プレミアムバンダイ』の公式X『@p_bandai』より

 その結果、“悪い子ども”だった光実は“本当に悪い大人”である科学者・“戦極凌馬/仮面ライダーデューク”(青木玄徳/36)に利用されてしまい、初恋の女性・舞(志田友美/26)と尊敬する紘汰の殺害に無自覚に手を貸してしまうという、あまりにもむごい末路を辿ってしまったのだ。

 この展開は脚本家・虚淵玄(うろぶち・げん)氏が「子ども目線だとカッコよく見えるかもしれない“賢く上っ面だけを取り繕う立ち回り方(悪い子)”はこうなる」と、視聴者に伝えることを意識したと公式に明かしている。

『鎧武』での高杉はほかにも、敵の強さに絶望して憔悴しきった顔で壊れた笑みを浮かべるシーンや、冷めた顔で「仲間っていうのはね、僕の思い通りになる人間のことさ」と言い放つシーンなどなど怪演を連発。それだけに、いまだに高杉を光実の劇中のニックネームである“ミッチ”と呼ぶファンは多い。

 大河ドラマ『光る君へ』で高杉が演じる惟規と『鎧武』の光実は性格は違うだろうが、「口がうまく、ひらひらとその場をしのぎながら生きていく」という部分で似ていると言えなくもない。何より、同じ弟キャラである。

 また、紫式部の才女ぶりを際立たせるためにも、比較対象で弟である惟規を演じる高杉は、非常に重要なポジションだ。

『鎧武』時代から定評のあった高杉の“弟力”。その実力を、『光る君へ』でも見せて欲しい――。