■初出場で“予想外”だったのは?
初出場組でKei氏の目を引いたのは、MISAMOだという。9人組多国籍ガールズグループ・TWICEのうち、日本人メンバーであるモモ(27)、サナ(26)、ミナ(26)の3人で構成されるユニットで、23年7月にデビューしたばかりだ。
「TWICEとして出場すると考えていたので意外でした。ただMISAMOはK-POP的でもあるけど、メンバーは日本人のみとありJ-POPと捉えることもできるので、なるほどなあと。
紅白にK-POPのアーティストばかりが出場することは、ヒット曲を出したという点では自然だと思います。一方でK-POP枠が多すぎると、中高年の視聴者への配慮はどうなのか? という指摘もみられるかもしれません。NHKがTWICE側に対しMISAMOでの出場を打診した可能性もあるのかなと思ったりもしています」(前出のKei氏)
他の初出場組の選出理由も『第ゼロ感』が5位に入った10ーFEETを筆頭に、18位に『絆ノ奇跡』がランクインしたMAN WITH A MISSION、20位に『青と夏』が入ったMrs.GREEN APPLEとビルボードジャパンのチャートイン記録が証明する通り。また年間のソングチャート1位のYOASOBI『アイドル』や17位のAdo『唱』など、社会的ヒット曲の披露も納得できるところ。
一方、それ以外の起用理由について、Kei氏は「世論の反映が大きいということと、NHKに貢献した人が強いということをあらためて実感しました」と話す。
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— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) November 13, 2023
世論という点では、旧ジャニーズを起用しなかったことについても“反映した”といえそうな23年末の『紅白歌合戦』。旧ジャニーズファンの番組離れも予想されるなか、工夫を凝らした出場歌手の選出だけに、どれだけの視聴率を集めるかに注目が集まる――。
Kei
青森県津軽地方在住の音楽チャートアナライザー。ブログ『イマオト -今の音楽を追うブログ-』を毎日更新中。地元ラジオ局でDJも担当。『音楽ナタリー』『TOKION』『uDiscovermusic日本版』『Impress Watch』『NumberWeb』等へ寄稿している。