■緊急避妊ピルでの妊娠回避率は100%ではない

 では、緊急避妊ピルの避妊効果はいかほどか。

「緊急避妊ピルは妊娠の心配がある時に飲む緊急用です。黄体ホルモンというホルモン成分が入っていて、排卵を遅らせるなどの作用により、妊娠を阻止する薬です。毎日飲むものではなく、妊娠可能性のある行為の72時間以内に一回飲むだけです。その代わり、妊娠を防げる確率(妊娠阻止率)も低用量ピルほど高くはない。85%程度の妊娠阻止率とされています」(前出の宋医師)

 緊急避妊ピルは通常だと医師の処方が必要で、対面もしくはオンラインで診察を受けなければならない。23年11月からスタートしている“処方なし”での販売は、厚生労働省からの委託を受けた調査研究の一貫ということで、購入できるのは調査研究への参加に同意した16歳以上に限定される。

 16歳以上18歳未満の女性は購入に保護者の同意が必要だ。また16歳未満の女性や、男性、代理人は購入できないなど、細かな条件もある。服用後の人体への影響は、「不正出血や吐き気などが一時的に出ることがある」(前同)という。

※画像は厚生労働省の公式X(旧ツイッター)『@MHLWitter』より