■同様の飲み会が多数あれば松本は不利になる?

 実際に飲み会を行なっていたことをたむらが証言。さらには、同様の飲み会が行なわれていたことが次々と報じられれば、松本は極めて不利になってしまう――そうした見方も強くあるのだが……。

「ここで問題となっているのは報道された事実が真実であったのか、あるいは真実と信ずるについて相当な理由があったか、というところです。過去に類似の飲み会があったという事実のみから、行為の強制があった、あるいは行為の強制があったと信ずるについて相当だ、ということまで認定するのはかなりの飛躍があります。

 証言内容にもよりますが、他にも似たような飲み会があった、という事実が訴訟の方針を決定づける、とまでは言えないのではないかと思います」(正木弁護士)

 最後に正木弁護士は自身の見解を語ってくれた。

「報道によれば、お互いに徹底的に争う姿勢をみせていますので、裁判はかなり長期化するのではないかと思います。芸能人の類似事案では決着まで3年半程度かかったというものもあります。本件も決着まで同様の時間がかかるかもしれません。

 両者ともに、どのような証拠に基づき、どのような主張をするのか不透明な状況なので、現状ではどちらが有利と言い切ることはできません」

 やはり、松本VS文春の裁判は長期戦の様相を呈しそうだ。「裁判に注力したい」とコメントし、活動を休止した松本人志。多くの人に「天才」と称された孤高のお笑い芸人は、このまま引退となってしまうのだろうか――。