ついに――。国民の多くがそう思うようなニュースが報じられたのは、1月26日のことである。自民党の最大派閥『清和政策研究会』(安倍派)に所属する池田佳隆衆院議員(57)が、政治資金規正法違反で逮捕されたのだ。東京地検特捜部が現役議員の身柄確保へと動いた裏側には、池田議員による悪質すぎる証拠隠しの実態があった。それは、事務所内にある経理資料が保管されていたPCの“意図的な破壊”だった――。

 逮捕に至った経緯を全国紙社会部記者が解説する。

「『清和研』に所属する池田議員には、派閥が開く政治資金パーティのパーティ券販売ノルマが課されていた。『清和研』ではパーティ券の売上ノルマがある一方で、販売ノルマを超える売上金を叩き出した政治家には、超過分が還流されるのが習わしでした。

 池田議員も『清和研』から自身の資金管理団体である『池田黎明会』へ、ノルマを超える売上金が出た2018年〜22年分の5年間で、計4826万円を受け取っていました」

 12年に行われた第46回衆議院議員総選挙で愛知3区から立候補し、初当選。以後、3回の当選を重ね、21年10月から22年8月までは、岸田文雄首相の下で、文科副大臣も務めた池田議員。娘の有里紗さんは20年に青山学院大学のミスコングランプリに輝くと、インフルエンサーとしても活躍している。

 そんな池田議員は、本来であれば、『池田黎明会』の政治資金収支報告書に寄付収入として記載すべき4800万円超の金額を、不記載のまま処理。つまりは裏金として自身の懐に大金を滑り込ませていたわけだ。

「東京地検特捜部は23年12月に名古屋市内にある池田議員の事務所を家宅捜査。すると、事務所にあった複数のパソコンがドライバーで壊されていたのです。パソコンの中には経理関係のデータが入っており、池田議員の指示のもと、秘書がパソコン内の記録媒体を破壊した可能性が高い」(前同)

 ドライバーでパソコンを壊していたとの一報が報じられると、“ドライバー池田”なる単語がX(旧ツイッター)でトレンド入りし、話題を呼んだ。ところで、パソコンの中にある、記録媒体装置は、ドライバーで壊すことは可能なのだろうか。ITジャーナリストの三上洋さんに話を聞いた。

「パソコン内にあるハードディスクや、外付け記録装置として主に使われるSSDにしても記録を抹消するには、物理的に壊すのが最も手っ取り早い方法です。逆に、PC上の一般的な”削除”作業だと記録は完全に消えないんです」(三上氏)

 というのだ。