■削除ボタンを押すだけではデータは消えない!?
PC上の一般的な削除作業では記録が消えない、とはどういうことか。
「PC上でデータの削除ボタンを押したとしても、記録媒体の中では削除したデータがあったエリアを“なかったもの”として認識しているだけ。データそのものがあった場所は残るのです」(前出の三上氏)
つまりは、PC上で削除ボタンを押すことで、記録媒体という土地に建てられたデータという名の建物は壊せるが、データが存在した土地そのものは残った状態が維持されるのだという。
「一般的な削除ではファイルの先頭部分のほんの一部を消すだけ。こうすることで、記録媒体内でファイルがなくなったように見せ、空き領域を作っています。
スパイ映画などでは、データの復元が行われるシーンが描かれていますね。あのシーンでは記録媒体の中に残った土地部分に以前まであった建物を見えるように戻す作業を行っている、ということなんです」(前同)