地上波テレビドラマ界に、大きな異変が生じている――。

 1月26日に阿部サダヲ(53)主演、宮藤官九郎が脚本を担当する連続ドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS系/金曜午後10時)がスタート。これで1月クールの主要連続ドラマが出揃ったが、早くも今期ドラマの好不調が見えてきていて――。

「これまで、地上波の連ドラは“ブランド”とも言える、安定した人気があり、数字も強い放送枠がありました。

 テレビドラマの代名詞のような存在のフジテレビ系『月9ドラマ』枠や、『半沢直樹』や『VIVANT』など作品が社会現象になることも多いTBS系の『日曜劇場』枠など。逆に言えば、それ以外の枠は数字が低くても当たり前のような雰囲気さえあった。

 ところが、この1月クールは“この枠なら数字が取れる”というのが読めず、予想外に人気が急上昇している枠も目立ちます。『不適切にもほどがある!』が良い例ですよね」(制作会社関係者=以下同)

『不適切にもほどがある!』は、1986年に中学校で体育教師を務める小川市郎(阿部)が、2024年にタイムスリップしてしまう、意識低い系タイムスリップコメディ。

 主人公が、現代なら一発でクビになるセクハラ発言を連発したり、体罰の何が悪いのかが分かっていなかったりと、初回から強烈なシーンの数々が登場した。

※画像は『不適切にもほどがある!』の公式X(ツイッター)『@futeki_tbs』より

「当時の“あるある”を懐かしむ昭和世代、“これが常識だったの!?”と衝撃を受ける若い世代。両方の世代がドラマに共感し、SNSも大盛り上がり。初回からX(旧ツイッター)トレンド入りするなど、大バズりしました。

 笑える一方で、80年代のコンプライアンス意識は酷いけど、現代の”二言目にはコンプラ”もどこか間違えていないか――と深く考えさせられる作品でもあり、評判は上々です」

 人気は数字にも表れており、『不適切にもほどがある』の初回(26日放送)はテレビ各局が最重要視している13~49歳のコア視聴率は3.1%。金曜夜10時という時間帯を考えると、かなり高い数値である。