■健康志向が高い外国人人気も後押し

 そして3つめは、海外や訪日外国人の間で起きている日本茶・抹茶ブームだ。元を正せば30年も前に、アメリカを中心に海外で抹茶ブームは起きていた。1993年、ロサンゼルスにある日本茶販売会社『前田園』が手がけた抹茶アイスが人気の火つけ役だとも言われている。

「いきなりジャパニーズ文化として抹茶、茶道と言っても外国人にはなかなかハードルが高い。でも彼らに馴染みのあるアイスに抹茶を練り込んだら親しみが持てるんじゃないかということでチャレンジしたら、大当たりしたという経緯です」(前出の荒井氏)

 さらに、健康意識の高まりが抹茶人気を後押した。抹茶はヘルシーで身体にいいというイメージから、外国人の間でも注目度は上昇するばかりなのだという。

「ハーゲンダッツ ジャパンの『グリーンティー』は96年に日本市場に向けて開発された商品ですが、今では日本に来た外国人にも人気です。というのも、海外の抹茶アイスは、日本人が食べたら甘すぎると感じるほど甘みが強い。日本で抹茶アイスを食べた外国人が、甘いだけじゃない“旨み”に感動するといいます」(前同)

 3月1日には、45年10月創業の京菓子處『鼓月』が、訪日外国人旅行者の声から開発したという新商品『千寿せんべいアイスクリーム抹茶』(400円)を販売スタート。外国人の抹茶アイス好きを裏付ける出来事とも言えよう。

※画像は株式会社鼓月の公式X『@kogetsuofficial』より