■芝桜・しだれ桜が有名なスポットも

 九州地方からは、『白木峰高原』(長崎県諫早市)を選定。

「五家原岳の標高約350メートル地点にある高原で、春には約10万本の菜の花と、一本桜が咲きます。特に、朝のご来光が美しく、それを目当てに多くのカメラマンが訪れます」(前出の詩歩さん)

 撮影場所は、JR諫早駅から路線バスで約20分と、好アクセス。さらに、

「諫早市は、地元の名産品である果物をデザインした“フルーツバス停”が有名。諫早駅と白木峰高原を結ぶ路線バスの停留所にもあるので、合わせてぜひ」(前同)

 ここからはプロだけが知る穴場スポットを紹介しよう。まずは、『ひがしもこと芝桜公園』(北海道網走郡)。

「芝生のように地面に広がる“芝桜”の名所で、山の斜面をピンクの絨毯で覆いつくしたような絶景が見られます。もとは一人の農家さんが作った、村の憩いの場でしたが、SNSなどでたいへんな話題になり、観光客が訪れるようになりました」(同)

 女満別空港から車で約30分という好立地で、本州からも行きやすいという。

「キャンプ場などのレジャー施設もありますし、売店では、名物の芝桜ソフトクリームが買えます。桜餅風の味で絶品ですよ」(同)

 一方で、枝の垂れた優美なたたずまいが魅力の“しだれ桜”が好きな人には、『日中線のしだれ桜』(福島県喜多方市)を薦めたい。

「昭和59年に廃線した日中線の跡地の3キロに約1000本のしだれ桜が並んでいます。散策路には、桜のトンネルのような撮影ポイントがあったり、かつて日中線を走っていた蒸気機関車の展示があったりと、見どころ満載です」(同)

 そして、日本人の心にグッとくる、城と桜の絶景を見られるのが、『墨俣一夜城址公園』(岐阜県大垣市)だ。

豊臣秀吉が一夜にして築いたという伝説のお城を再現した天守閣と、その周囲に咲く約800本の桜が見どころ。すぐ近くを流れる長良川の橋の上からは、天守閣が桜の海に浮かんでいるようなトリック写真が撮れます。また、墨俣一夜城址公園のある大垣市は、愛知県に近く、名古屋名物のみそカツの屋台が出ていたりと、グルメも充実していました」(同)

 日本の春を満喫しよう!