■二番煎じの声を吹き飛ばした『星降る夜に』

 そして、テレビ朝日系の火曜よる9時放送の新ドラマ枠で始まった『星降る夜に』は、吉高由里子(34)主演で、恋愛ドラマの名手・大石静の脚本によるオリジナル作品。孤独に生きる主人公の産婦人科医が、10歳年下の遺品整理士と恋に落ちていく、大人のピュアなラブストーリー。

 主人公の相手となる北村匠海(25)の役が聴覚障がい者と、前期放送の大ヒット作『silent』(TBS系)に設定が似ているいるため、放送前は二番煎じのイメージが。さらに、同日の10時枠には、胸キュンが定番のTBS系の火曜ドラマ枠があり、恋愛ドラマかぶりという悪条件もあった。

 しかし、フタを開けてみれば、切ない恋模様だけでなく、主人公が働く産婦人科のエピソードもリアルに描かれ、恋愛ドラマとお仕事ドラマのバランスが絶妙。さらに、まっすぐな恋心を抱きつつ、仲間と下ネタで盛り上がるなど、北村が演じるチャーミングなキャラが、視聴者から愛されているようだ。

 平均世帯視聴率は第5話が6.8%と、前述の火曜ドラマの『夕暮れに、手をつなぐ』の6.3%を超え、見逃し配信「TVer」のランキングでも僅差で上位。今後、同棲、四角関係、意外な血縁関係など、気になるエピソード満載で、恋愛ドラマの王道の座を火曜ドラマから奪取するかもしれない。

 放送前に注目度が高くなかったドラマでも、しっかりした脚本と演出、俳優陣が揃っていれば、SNSなどの口コミでその面白さが拡散されていくこともある。今回の3作品も後半戦に向けて、内容と話題性ともに、さらなる盛り上がりに期待したい。(ドラマライター/ヤマカワ)
※平均世帯視聴率はビデオリサーチ調べ(関東地区)