「高知東生」の名前から何を思い浮かべるだろうか。Vシネマや地上波ドラマでバイプレイヤーとして活躍していた俳優、あるいは薬物事件で逮捕された元芸能人。あるいは、ツイッターで自身の体験に基づく依存症からの回復の情報発信をしている人、と思う人もいるかもしれない。繰り返し「自分を愛すること」の大切さを語る、高知がいま考えていることとはーー。
【第2回/全4回】
高知さんが芸能活動を始めたのは1993年、28歳のときだった。高校卒業後、高知県で大丸に就職、普通の店員として働いていた時期もあったのだが、父がヤクザという特殊な境遇ゆえ、通常では起こることがない経験もしたようで――。
――高知さんは幼少期、伯父一家に預けられて育ちました。その後、父がかつて存在した暴力団で最高顧問を務めた大物組長で、母は彼と愛人関係にあったと知ります。その後、高知さんと血縁関係のある父は別の男性だったことを知りますが、芸能活動をしていた時はご家族について知っている方は多かったのでしょうか。
今みたいにSNSが普及していなかったですが、自分の家族構成は、20年くらい前ですかね……2ちゃんねるみたいなネットの掲示板にはもう書かれてたんです。
"高知東生のお父さんは高知県のヤクザの親分だ”って書かれたのを見た別の人が”何言ってるんだ、高知東生の本当の親父は徳島県の○○だ”とか、高知県と徳島県で勝手に争ってたんですよ。たまに見ては”勘弁してくれ”と思っていました。
僕としても、当時の奥さんは一生懸命自分でキャリアを築き上げた女優さんだし、マスコミが"面白おかしく取り上げてやろう”と話が膨らんじゃったら嫌だと思って、その当時はおどおどしてました。