■初めての小説で「役者と似ている」と思ったこと
――今回、初めての小説を書き上げてどう思いましたか? 新作の予定はありますか?
この本、『土竜』を書くにしたって僕1人ではできなかった。小説をどう書くのか最低限のルールとか基礎さえもわからなかった自分が色んな人に助けてもらって。編集者さんは、今思うと“こんなに丁寧に?”と思うくらい自分がわからなかったことを指摘してくれました。
“そうか、だったら素直に受けて変えてみよう”と書き直しているうちに、役者をやっていたときに似ているなと思えるときがあって。演技に自分のイメージを持っていても、監督の前で芝居をした時に、監督から“ここをもっとこういう風に”と指摘されたときに、“わかりました”ってすぐ切り替えて、監督が指示したイメージを瞬時に作り上げて演じるのと同じように感じてきました。
新作にかんしては、あんまりはっきりと言っちゃうとプレッシャーを与えられるので(笑)。ただ今の気持ちとしては、自分のいろんな経験の引き出しはまだたくさんあるので、小説ってものを学ばせてもらいながら、読者の人にどう楽しんでもらおうかなっていうことを楽しく考えています。