■「安さ」に飛びつく回転寿司の裏で生産者の本音は「厳しい」
市場において行き場をなくしたミナミマグロ。そんなミナミマグロに飛びついているのは、回転寿司チェーン店だ。100円寿司チェーン「はま寿司」では、7月2日から「みなみまぐろ大とろと大切り夏祭り」として、ミナミマグロの大トロを100円(税込110円)で販売中。はま寿司ではこれまでにもしばしばミナミマグロ大トロを100円で提供しており、その度に人気を博している。
その他、スシローやかっぱ寿司など、大手回転寿司チェーン店でも度々ミナミマグロをメニューに取り上げる。高級魚であるミナミマグロを回転寿司が手頃に提供できる理由には、やはり卸値の安さが関係するそうだ。
「価格面だけを見ると、生産者として非常に厳しい面があるのは否めませんし、(安い価格が)定着するのも困ります。ただ、まずは多くの人にミナミマグロを口にしてもらい、人気度、知名度が上がることが大切。それによって価格も戻ってくれたらなと思います」(前出の日本かつお・まぐろ漁業協同組合組合長の香川さん)
日本かつお・まぐろ漁業協同組合ではミナミマグロ認知度向上のため、YouTubeにてミナミマグロの魅力を伝える動画を公開中。7月中には天然マグロの本来の旨みをテーマにした動画の公開を予定しており、今後も継続的な発信を続けていくという。果たして、ミナミマグロの今後は――。