「千葉さん(千葉真一さん)が今年の夏で亡くなって3年が経ちましたね。生きていたら、必ずアドバイスをくれたでしょうね……」
と、遠くを見つめながらそう語るのは俳優の若山騎一郎(59)だ。若山は今、もうすぐ始まる舞台『時は今 天が下しる 桔梗かな』(9月11~15日=東京・渋谷区文化総合センター大和田・伝承ホール)の稽古の真っ最中。同舞台は戦国時代の明智光秀を巡るストーリーで、若山は明智家の家臣・斎藤利三を演じる。
若山の父・若山富三郎さんは徳川家康(映画『女帝 春日局』/1990など)を、叔父・勝新太郎さんは豊臣秀吉(NHK大河ドラマ『独眼竜政宗』/1987年)を演じた。
「父はこの斎藤利三の役をやりたがったでしょうね。殺陣、日本舞踊、歌舞伎……さまざまな要素が入っていて、演じていてとても面白い役ですからね。
そして、千葉さんは大河ドラマ『風林火山』(2007年)で武田信玄の家臣・板垣信方を演じました。今、僕は明智の家臣役を稽古をやっていて、同じ家臣役として思いが被るというか、そんな感じがするんですよね……。稽古が終わって家に帰ると、毎日のように『風林火山』を観るんですが、千葉さんが何を考えて演じていたか、分かるような気がします。
そして、今も生きていたら舞台を観に来てくれましたね、必ず。そして、アドバイスをくれたはずです。今はそれが叶わないから、千葉さんが残した言葉を、あらためて噛みしめていますよ」