■「地上波ドラマに出ない」一流俳優は多くいる

 前出の制作会社関係者が続ける。

「『海のはじまり』で主演を務めたのは今を時めく目黒さん。『silent』チームが再集結した作品で、しかも月9ドラマですからね。前評判と注目度は7月クールのドラマの中でも最も高く、フジテレビサイドも高い視聴率と視聴者満足度を期待していたはずです。しかし、大成功とはならなかった。

 パリ五輪と被っていたという事情もありますが、テレビ各局が重視する13~49歳のコア視聴率が1%台という低視聴率の日もありましたからね。TVerのお気に入り登録は190万を超えましたが、肝心のリアルタイムの視聴率は振るいませんでしたし、『silent』ほどは話題になりませんでした。

 有村さんは台本通りに弥生を演じたわけですが、その役どころには同情の声が殺到。彼女が悪いわけではありませんが、『海のはじまり』に出るメリットがあったかといえば、疑問が残るところではありますよね」

 ドラマの放送期間中には、主演の目黒が体調不良のため8月15日から8日間休養していたことも明らかになった。また、一部メディアからは、『海のはじまり』の現場スタッフの空気感が目黒を追いつめたとする報道も出た。殺伐とする現場に目黒が精神的に参ってしまい、休憩時間中も車にこもるようになってしまったと伝えていた。

「目黒さん自身がブログに《みんな優しいし穏やか》と綴って報道内容を否定しましたが、地上波の連ドラの撮影は早朝から深夜までと心身の負担になるのは間違いない。そして、丁寧に丁寧に作られた『海のはじまり』はやはり、撮影スケジュールがとてもタイトだったと言われていますね。

 ただ、そうして作られる地上波ドラマの影響力はどんどん低下していると。そうなると、有村さんクラスが出演する必要はなくなってくる。すでに民放局のドラマにはなかなか出なくなっている俳優は多くいて、山田孝之さん(40)や綾瀬はるかさん(39)、横浜流星さん(28)などがその代表例ですよね」(前同)

 山田、綾瀬、横浜などの俳優は地上波ドラマではなく、映画、配信作品、CMが仕事の中心だ。

「特に配信作品は制作費も潤沢ですし、じっくりと時間をかけて面白い物を作っていける。役者としてもやりがいがあるでしょうね。『海のはじまり』に出演した有村さんも、ここ最近は地上波ドラマの出演が減りつつあります。

 今後、地上波ドラマはNHKの連続テレビ小説大河ドラマ、TBSの日曜劇場などに絞り、あとは信頼するスタッフの作品だけには出る、という仕事のやり方にシフトしていくのかもしれませんね」(同)

『海のはじまり』の役には同情の声が多く寄せられた有村。11月14日から配信される坂口との共演作、Netflixの『さよならのつづき』が大ヒット作となれば、地上波離れがいっそう加速していきそうだ――。