この秋に発売された2つの名作ロールプレイングゲームが、大きな波紋を呼んでいる。

「1988年に発売された『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』がHD-2D版としてフルリメイク。11月14日の発売以降パッケージ版の売り上げは90万本以上と、空前の大ヒットを記録しています。また、ドラクエに先立って10月24日に発売された『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』も注目作品。こちらも93年に発売されたタイトルのリメイクですが、原作愛に溢れた作品として好評を博しています」(ゲーム誌編集者)

 奇しくも同メーカーであるスクエア・エニックスの作品だが、一部のファンの間では、両作品の評価で明暗が分かれているという。

「批判が集中しているのは、リメイク前のドラクエ3にあったキャラクターの性別が廃止されたことです。見た目が男性っぽいキャラは『ルックスA』、女性っぽいキャラは『ルックスB』から選ぶ仕様に変更が加えられました。また、鳥山明さんがデザインした原作の女戦士は、セクシーなビキニ風アーマーを着用していましたが、バストとウエストに謎の布が加えられ、肌の露出を抑えるデザインに調整されるようになりました」(前同)

 こうした変更に、違和感を覚えるユーザーも少なくないようだ。ファミコン時代からゲームを愛好するネットライターの大西圭氏が解説する。

「近年のゲーム業界は、ジェンダーや人種、文化などに関する配慮、いわゆる『ポリコレ』を意識した作品作りが目立ちます。今回のドラクエのケースもその一環でしょう」

 ドラクエシリーズの生みの親であるゲームデザイナー堀井雄二氏の発言にも注目が集まった。

「9月末の東京ゲームショウでの対談で、今回の変更を巡り<男女でいったい誰が文句を言うんだろう>と疑問を呈しました。この対談の動画は非公式に英訳字幕がつけられ、Xで拡散。Xのオーナーであるイーロン・マスク氏もこの投稿をリポストし<非常識だ>と批判したほどです」(前同)