■納豆を夜食べて脳卒中予防

 また、脳卒中の予防には、国民食の納豆もよい。

「血栓によって脳の血管が詰まると、脳卒中が起きる要因になります。納豆に含まれるナットウキナーゼには、血栓を溶かす作用があります」(同)

 アメリカの臨床栄養学の学術誌『AJCN』に掲載された論文では、納豆をよく食べる人は、そうでない人に比べて、脳卒中で亡くなる割合が約3割も低かったことが判明している。

「脳卒中は、夜、寝ているときに起こることが多いので、納豆を食べるなら朝食より、夕食がオススメです」(同)

 また、日々のおやつでも、健康長寿を手に入れることができる。

「122歳まで生きて、長寿のギネス記録になったフランス人のジャンヌ・カルマン氏は、チョコレートとワインが大好物だったそうです」(管理栄養士)

 甘いものと酒は健康に悪そうだが、実は、この2つは大病を予防するという。

「チョコレートの原料であるカカオには、動脈硬化を予防する働きが。また、ブドウの皮や赤ワインに含まれるポリフェノールのレスベラトールが、がんの予防に効果的だという研究結果があります」(秋津氏)

 飲酒を控えるなら、コーヒーがオススメだ。

「1日3~4杯のコーヒーを飲むと、大腸がんの抑制効果があるといわれています。また、コーヒーに含まれるクロロゲン酸には、脂肪の吸収を抑えたり、食後の血糖値の上昇を抑えたりする働きがあるので、肥満などの生活習慣病の予防にも最適です」(前同)

 続いては、体を若く保つための食材。加齢による目の衰えを感じる人には、秋の味覚のナスがよいという。

「ナスに含まれる、ポリフェノールのアントシアニンは、視覚機能の改善や眼精疲労の予防に効果的です。特に、皮の部分に豊富に含まれているので、皮ごと食べられるお新香や煮物で、ぜひ」(同)

 リンゴなどの果物類も、秋津氏いわく、「口臭予防にもなるので、丸かじりが理想」とのことだ。

 北海道の郷土料理の石狩鍋など、これからの季節に定番になるのが、秋サケとキノコの組み合わせだが、それぞれ、中高年には嬉しい効果があるという。

「サケの身に含まれるアスタキサンチンは、ビタミンCの約6000倍の抗酸化力があり、体の老化を早める活性酸素を除去してくれます。肌の若返りにもよいので、見た目から若返りたい人にピッタリ。

 また、キノコは、食物繊維が豊富で腸内環境の改善につながります。男性の場合、加齢とともに便秘に悩まされるケースが多いので、ぜひ!」(同)