■井上は“大女優”として自分を見つめ直す時期か

 井上と深津――多くの視聴者を魅了してきた名女優2人の、ドラマや映画の出演が減っている理由を芸能評論家の三杉武氏はこう話す。

「まず、井上さんですが、女優にとってはNHKの大河ドラマや朝ドラで主演を務めるというのは、1つの区切りだと言われています。本人のキャラクターはともかく、格として“大女優”という存在になりますから、それを機に休んだり、仕事のスタンスを変える人は多いんですよね。

 たとえば上野樹里さん(38)は、2011年に大河ドラマ『江〜姫たちの戦国〜』に主演をしてから働き方を変えた感じで、その後、16年に結婚。私生活を充実させる方向にシフトしていましたよね」(三杉氏、以下同)

 井上は、15年に『花燃ゆ』で大河ドラマ初主演を務め、翌16年に事務所も移籍している。

「井上さんはまだ若いですが、5歳から子役として活動していてキャリアは長いですよね。また、2004年に大学進学のために一時休業していますが、05年に芸能活動を再開してからすぐに『花より男子』が始まって、以降は朝ドラ『おひさま』(11年前期)で主演を務めたり、とにかく忙しく仕事をしてきた。ですので、主演の大河『花燃ゆ』を終えたことで1つのピークを迎えて、自分を見つめ直す時期に入ってるのではないでしょうか」

 井上は20代のとき、『花男』シリーズを筆頭に仕事に追われながらも、明治大学を留年せずに4年で卒業している。そこからも、彼女が公私ともに一生懸命であったことが伝わってくる。