■伸びしろしかない白鳥玉季

 そして、及川光博(55)主演の日曜ドラマ『ぼくたちん家』(日本テレビ系)に出演した白鳥玉季(15)だ。同作は、心優しく不器用なゲイ・波多野玄一(及川)と、クールなゲイの中学生教師・作田索(手越祐也/37)らが明るくたくましく生き抜く姿を描くホーム&ラブコメディ。白鳥は、訳ありすぎる中学3年生・楠ほたるを演じた。

 5歳のときにNHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』でドラマ初出演し、子役として活躍していた白鳥。20年1月期放送『テセウスの船』(TBS系)の佐野鈴役や、23年のNHK大河ドラマどうする家康』の茶々の幼少期などの演技が好評だったが、メイン役は初めてということで、本人も不安があったようだ。

 しかし、不安どころか、その才能が本作で一気に開花。及川や手越を向こうに、堂々とした演技を見せていた。ときに白鳥が場をリードする場面もあり、年齢的に伸びしろしか感じない。今後も順調に成長していけば、白鳥が朝ドラヒロイン候補になるのは間違いないだろう。

 中堅から若手まで、女性俳優が輝いた秋ドラ。26年1月から始まる冬ドラでは誰がどんな演技を見せてくれるだろうか。個人的には、NHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』で、永野芽郁(26)の代役で豊臣秀長(仲野太賀/32)の幼なじみ・直を演じる白石聖(27)が最注目だが、スタートが待ち切れない。(ドラマライター・ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。