■先物価格は落ち着いたけど…『チョコパイ』『ガーナ』のロッテが教えてくれた“今後”
ロッテは、調達するカカオ豆の8割がガーナ産だと公表している。そんな同社の担当者に近年のカカオ先物価格上昇の原因を尋ねると「現地の天候不順の他、病害虫のまん延やカカオの木の高樹齢化、金の違法採掘による農地破壊等が原因として考えています」とのことだった。
一方で、昨年後半から始まったカカオ先物価格の下落はどう見ているのか。
「直近のカカオ豆の価格は主要産地の収量改善、世界的な需要減、などの複合的な要因に伴い下落傾向です」(ロッテ担当者・以下同)
一方で、「高騰以前と比較すると、依然として価格は高止まり傾向にあります」として、まだ高値圏での取引が行われていると語る。また、商品価格の値上げにかんしては原材料であるカカオの価格高騰以外の要素も大きいそうで、「商品の価格改定をこれまで実施させていただいておりますが、ガーナ産カカオ豆に限らず、人件費や物流費の高騰など、複合的な要因に伴い、企業努力で吸収できないところについては価格に転嫁させていただいています」と昨今の物価高によるものだとしている。
ただし、ロッテもこの状況をただ指をくわえて眺めているわけではない。これまでのようにガーナ産のカカオ豆ばかりを仕入れるのではなく、コートジボワール産の調達も始めたという。これに加えて、農地破壊が続くカカオ豆の主な産地であるガーナでは「カカオの木の植え替えが必要であり、そのために不可欠な苗木の提供を行っています。24年には、ガーナに対してカカオの苗木約12.5万本を寄贈しました」としている。
他にも「良質なカカオを安定的に調達する技術開発を行っており、パプアニューギニアでは16年より研究農園を開発し、カカオのテスト栽培や、25年には農園の周辺住民の方々に10690本のカカオ苗を配布しながら、栽培指導を行った」という。
「将来的にはここで培った技術を他の生産国でも応用し、カカオ豆のサステナブルな原料の生産につなげていきたいと考えており、今後も中長期的な視野でカカオ豆の安定的な確保を目指し、取り組んでいきたいと考えています」と語る担当者。チョコが安定的に食べられるよう最大限努力しているとのことだった。
チョコレートが贅沢品になりつつある中、メーカー各社はまた手頃に買える日が来るよう知恵を絞っている。