「働けど働けどなお、わが暮らし楽にならざり」そう詠んだ石川啄木も仰天の“労働革命”が進行中だ。AI(人工知能)の進化によって「ホワイトカラー」の仕事や賃金が減り、逆にAIでは代替できない「ブルーカラー」の仕事の単価が上昇。ホワイトカラーの給料を上回る逆転現象が起き、アメリカでは“ブルーカラービリオネア(億万長者)”という言葉まで生まれているという。そこで本サイトは、稼げる“ガテン系”の仕事を徹底リサーチした。【後編】

 建設業界も注目度がアップしている。

 ユーチューブ『建設チャンネル』を運営する『株式会社 井上技研』の代表・井上伸吾氏は、次のように語る。

「建設業界の労務単価は、毎年およそ5%ずつ上昇しています。その背景にあるのは人手不足で、建設業界では、すでに人材の奪い合いが起きている。今は高い給与を提示しないと、人が集まらない状況です」

 当然、建設業界全体の給与も上昇中だ。とび工などの建設躯体工事従事者の平均年収は2024年度で490万円と、日本人の平均年収を上回った。

 都内でイベント設営会社を経営する40代男性は、こう言う。

「展示会やイベント会場のブースを作る際、トラスという金属の骨組みなんかを組み立てるのが、とび職人。彼らの日給は年々、上がっていて、今は2万から2万5000円ぐらいだね。

 ただ、催し物が重なったりすると金額がグッと上がる。実際、去年は一時的にエグいほど、賃金相場が上がったからね」

 昨年は大阪・関西万博を筆頭に、日本中で大小のイベントが重なり、極端な“とび不足”に陥ったという。

「職人の奪い合いが起きて、日給5万円にまで跳ね上がった。中には午前に、うちの現場、午後と夜に別の現場を回る“トリプル”をして、1日で15万以上を稼ぐ猛者も出た(笑)。寝ないで働いて月200万円稼いだ若い子もいたみたいだよ。

 常に人手不足だから、腕がある子は稼げる。ただ、体力勝負の仕事だから、50代が限界だけどね」(前同)

 給与が上昇しているのは、とび工だけではない。前出の井上氏が営む内装業でも、それは同様だ。

「私が代表を務める内装業の会社は、単純技能者でも、月給28万〜45万円で募集しています。これはあくまで最低ラインで、持っている技術によっては、さらに上がる。例えばですが、入社3年目の施工管理技士であれば、年収600万円は提示します」

 技術があれば、それ相応の対価を得られるわけだ。

「建設業界は、50代以上の従業員が3割を占めており、今後、ますます人手不足に陥ります。より正確に言えば、働き手はいるけど、即戦力の職人がいない状態に陥ります」(前同)

 副業として今も建築の現場で働く、お笑いコンビ『フルーツポンチ』の亘健太郎氏も、こう言う。

「現場の人手不足はすごく感じます。40〜50代が主力で60〜70代の年配の方も多い一方、20代の若い子はほとんど見ません。だから、転職したら仕事はけっこうあると思います。

 ただ、難しいのは経験値がないと、すぐには使いものにならない点です。やっぱり雇う側は、仕事ができる人を安く雇いたい。給料を上げたいなら、スキルを上げる必要がありますね」