■自動車組立従事者も有望株

 スキルアップの意味で、前出の井上伸吾氏が“需要が大きい”として注目する資格が、電気工事士だ。第一種と第二種があり、取得すれば電気配線やクーラーの設置工事などが扱えるようになる。

「AIブームで、大量のデータを処理するためにデータセンターの建設が相次いでいます。そこでは必ず、大規模な電気工事が必要になる。

 私の周りには、月給100万円を稼ぐ電気工事士がたくさんいます。独立して自分の会社を持ち、2〜3人ほど職人を応援でお願いし、どんどん現場を回しています」

 才覚のある人は、すでに、しっかり稼いでいるのだ。

「そうなんですよ。私からしたら、ブルーカラービリオネアという言葉が注目されたことで、“建設業も、やり方次第で稼げるんだ”と、ようやく世間に認識され始めた印象です」(前同)

 有望な仕事は他にもある。

 その1つが、24年度平均年収500万超えの自動車組立従事者だ。

「かつてはキツいけど稼げるからと車好きの若者が集まりましたが、車離れが進む今、人手不足が深刻です。そのため、各社の工場は働き手を確保するため、給与アップを進めています。

 先の春闘でも、大手自動車各社は軒並み1〜2万円という高い水準での賃上げを行いました。来年以降もまだ上がると思います」(自動車部品メーカー社員)

 自動車整備・修理従事者は、24年の平均年収は480万円と、20年に比べ、17.9%の上昇を見せた。

「過去10年間で、自動車整備士の年収は52万円も上がっています。トヨタの整備士だと、平均で530万円と言われます。

 他にもバス会社や中古車販売業、自動車教習所など、働き口は豊富。この先、EV(電気自動車)や自動運転技術などが普及し、さらに専門性が高まる仕事なので、給与が上がる余地は大きいです」(業界紙記者)

 こうした労働市場の変化を察知し、すでにホワイトカラーからブルーカラー職に転職し、年収を増やす人も出ている。

「キャリア支援サービス『レバジョブ』の調査によると、ホワイトカラーから、ブルーカラーの職へ転職した人の約25%が“年収が増加した”と回答しています。

 年代別では、20〜30代の約4割、40〜50代で2割以上が年収アップを実現しています。この流れは今後、加速すると思います」(全国紙経済部記者)

 では、これからガテン系で稼ぎたい、と考えている人は、どんな準備をすればいいのか。転職する際、最も大切なことがあると教えてくれたのは、前出の『フルーツポンチ』の亘健太郎氏だ。

「現場仕事で何より大切なのは、体力です。ときどき、派遣会社経由で若い子が来ても、すぐにゼーゼー言ってバテてしまう。

 最初は知識や技術がなく、主な仕事は現場の手伝いなので、資材を運んだり、いらない壁を壊したりといった力仕事がメインになる。なので、デスクワークから転職する人は、まずは体力づくりをすることをオススメします」(亘氏)

 これからのAI時代は体力勝負。“ガテン系”で勝ち抜け!