横綱、親方として、相撲を通じて日本文化や神事に長らく関わってきた貴乃花。自身が体験したことや、本を読んで学んだこと、そして、心に残った“ニッポンの魅力”を、歴史の話も交えながら伝えていく。
2回にわたってお話しした、日本史最大のミステリー“空白の150年”も、いよいよ大詰めです。【前回の記事はこちらから】【前々回の記事はこちらから】
歴史的な資料がほとんど残っていない、謎の150年間。今回は、その後に現れた、“倭の五王”を中心に、古代日本の本当の姿をひもときます。
古代の日本は文字文化が広く根付いておらず、記録のほとんどを中国の歴史書に頼っていたというのは、すでにお話しした通り。
そして、3世紀を最後に、中国の歴史書から、倭(日本)に関する記録がいったん途絶えます。
次に姿を現したのが、5世紀です。『宋書』の倭国伝に記された、讃・珍・済・興・武という5人の王──。いわゆる倭の五王が、約100年間にわたり、代替わりしながら中国へ使者を送っていたという記録が残っています。
ここで一つ、疑問が生じた方もいるのではないでしょうか。日本の王様なのに、なぜ、漢字一文字の中国風の名前なのか……。