■最悪、死に至る可能性も……
手術を受ける時の心構えについて、吉野医師があらためて警鐘を鳴らす。
「まず、運動機能は絶対に低下します。たとえば、つま先立ちになり、うまくしゃがめなくなったり、床から立ち上がりにくくなったります。ストレッチで多少は改善できますが、つま先立ちが強い場合は、アキレス腱の延長術が必要となります。
合併症で最も酷いのは感染症で、髄内釘を入れた部分が感染し、放っておくと敗血症になって最悪命を落とすリスクも。
人生は1回きり。価値観は人によって違いますが、私は身長を伸ばしたことで自信がつく人もたくさん見てきました。ただやはり、手術自体のリスクはもちろん、アフターケアなどを含めた病院選びも大切です。そこをクリアできるのであれば、世界のどこで手術を受けてもいいと思いますよ」
人生は1回だが、身体もひとつだけ。日本でも徐々に盛り上がりつつあるという背が高くなる“夢の手術”「骨延長」。くれぐれもしっかりとリスクも調べたうえで、代償を負う覚悟を持って行なってほしい。