■TBSは「ジャニーズという巨大な帝国を育てたのは間違いなくテレビ局です」と猛省

 10月7日の『報道特集』は「ジャニーズとTBSの関係」と題し、報道局や制作担当、編成局編成部の社員や元社員ら80人以上の証言をもとに検証を実施。

「(ジャニーズ事務所を)怒らせたら駄目。この1年の間にも、ジュリー氏(藤島ジュリー景子前社長)を通じてキャスティングを巡る圧力が番組にあった」「「気に入らないことがあると“タレントを引き上げるぞ”と言うため、企画がガラッと変わるなど振り回された」といった証言、ジャニーズ事務所からの圧力や事務所への忖度があったという証言を紹介。

 報道局の日下部正樹氏は「BBCの報道から半年、私たちテレビ局の中でもようやく自らを見つめ直す動きが出てきた。ジャニーズの問題は1人の男性や1つの事務所の問題にとどまらないと思うんですね。ジャニーズという巨大な帝国を育てたのは間違いなくテレビ局です」とテレビ局の責任に言及。

「勇気を持って声を上げた被害者の方々にはどんな言葉を尽くしてもお詫びのしようもありません。私たちは報道機関として当然持つべき弱い立場の人々に寄り添う思いと想像力を欠いていました」と後悔の念を露わにしていた。

■テレ朝検証番組を悩ませる『ミュージックステーション』の存在

 前出の制作会社関係者が続ける。

「フジテレビとテレビ朝日はまだ大々的な検証番組を放送していませんが、テレ朝は《検証のための特別番組を制作、放送の予定。日時などは決まり次第、報告する》とコメントしているように、近いうちに放送があるとみられています。

 日テレとTBSはかなり深掘り検証していましたから、“後発組”はさらに深く掘った検証を行なった番組にしないと、さらなる批判を招いてしまいます。特にテレ朝は、“最もジャニーズとズブズブ”と言われてしまっている局ですからね。自社に甘い検証番組を放送したら信頼も失墜してしまうでしょうね」

 そんな、検証番組を放送することを明らかにしているテレビ朝日だが、悩ましい問題を抱えているというのだ。それが『ミュージックステーション』の存在だという。

※画像は『ミュージックステーション』の公式X(ツイッター)『@Mst_com』より

『Mステ』には毎週のようにジャニーズ事務所所属グループやタレントが出演。1986年から放送がスタートし、1988年からジャニーズのアーティストがレギュラー出演するようになり、1988年以降の総集編を除く1369回のうち、ジャニーズアーティストが出演しなかったことはわずか13回しかないという。