■「ニンニクマシで」とオーダーする人も

「実際に営業を始めてみると、“こんなにおいしい食べ物があるんだね”とか、“このスープってどうやって作っているの?”と好反応を示すお客さんが多かったです。4回、5回と通ってくれている常連さんもいますし、中には自分から日本語で“ニンニクマシで”ってオーダーする人もいますよ」

 日本人の駐在員も来店するといい店を去る際には「美味しいです」と声をかけてくれるんだとか。

 ガーナの地で本格的な二郎系ラーメンを作る猪爪さんを店で支えるのは、現地で集めた5人のスタッフだ。従業員選びの基準はひとつだけだったという。

「明るさと、信頼できそうかどうか、人柄重視で決めました」

 その甲斐もあってか、現地で採用したスタッフは5人とも、驚くほど店舗運営には協力的だという。暇ができれば掃除をし、キッチンもぴかぴかにしてくれるのだとか。

「僕がニンニク油を飛ばしても、すぐ拭いてくれるんです(笑)。すごく優しくて、責任感を持って働いてくれる人が多いなと感じます」

 猪爪さんが現地で提供するラーメンの価格は一杯190セディ(約2800円)から。平均月収が8000円ほどとされるガーナの人々にとって決して安い価格ではない。それでもオフィス街という立地もあって、最先端のトレンドに敏感なIT企業に勤める従業員など高所得者層を中心に店内は賑わっているという。

 店内にあるのは10席のカウンターと、4人掛けのテーブル3卓。これらが満席になる日も珍しくないそうだ。まだ、開店したばかりだが猪爪さんの視線は既に未来を見据えている。

※画像提供/猪爪雅也さん

「ガーナでラーメンが流行れば嬉しいですよね。街を歩いていて、いろんなところから豚骨ラーメンの匂いがしてくるようになったら最高です」

 日本で人気の二郎系ラーメンは、アフリカの地も席捲できるのか。

【前編】「一昨日まで大学生だったんです」なぜ24歳の日本人男性はアフリカ・ガーナで“二郎系ラーメン店”を立ち上げたのかでは猪爪さんがガーナで二郎系ラーメンの店を開店するまでの経緯を語っている。

(取材・文/久保純)

猪爪雅也(いのつめ・まさや)
東洋大学国際観光学部在学中の2023年夏、同大学を2年間休学し、世界46カ国を旅する。帰国後、東洋大学を卒業。24歳となった2026年2月、西アフリカ・ガーナの首都アクラでラーメン店「MANPUKU RAMEN BAR」を開店した。