■トレンドを掴む企業努力でアップデートを重ねる
(2)つけ麺専門店 三田製麺所
三田製麺所は『つけ麺専門店』の看板を掲げるチェーンとして、その名を知られる存在だ。濃厚な豚骨魚介スープと極太麺の組み合わせが看板メニューで、満足感の高さも際立つ。麺の量は並盛から特盛まで無料で調整可能であり、自分の食欲に合わせた楽しみ方ができるのも人気の要因だ。
「季節ごとに展開する限定メニューが面白い!今であれば、さっぱりとした『鯛だし塩つけ麺』(880円・税込・以下同)からこってりとした『特濃煮干しつけ麺』(1090円)まで、様々なレパートリーの商品を用意している。漫然とチェーン店展開をしているのではなく、ラーメン、つけ麺のトレンドをしっかり抑えているのがメニューからも伺えます」(前出の井手隊長)
現在、SNS上などを中心に話題となっているのは『たまごかけ麺』(1000円)という一風変わったメニューだ。茹でた麺の上に卵黄が乗り、それをかき混ぜて楽しむというもの。さらにオイルや調味料を加えることで、味を自分好みにカスタマイズできるのがポイントだという。
「麺に卵黄をかけるスタイルは、もともと埼玉県越谷市にある『ゴールデンタイガー』さんという店がやっていたんです。そこは自家製麺が自慢で、スープがなくても卵黄をかけるだけで麺をおいしく食べられる。それをチェーン店が再現したのだから驚きです。常識をぶっ壊されましたね」(前同)
三田製麺所は、メニューのバリエーションが豊富で、年越しにつけ麺を食べたいときの選択肢としても魅力的だ。
「今はレギュラーメニューになっていますが、こってりしたスープの『特濃つけ麺』(1250円)と、引き算の発想で澄んだスープに麺をつけて食べる『ざる中華』(980円)の両方を提供している。このバランス感覚もすごい。つけ麺への愛と専門店としてのプライドを感じます」(同)
さらに冬季限定で登場する『味噌つけ麺』(1150円)もおすすめだ。濃厚な豚骨魚介&味噌スープに、たっぷりの野菜が乗り、おろしニンニクとショウガが別添えされている。寒い季節にぴったりの一杯だ。
現在、全国に40店舗以上を展開する三田製麺。首都圏だけでなく、中京圏や関西圏、広島にも進出している。